にこにこくんの、のんびり日記

おもに演劇や映画の観劇レポや、作った料理などを掲載します。

2017年11月

昨年、90歳で亡くなったポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダ氏。「灰とダイヤモンド」「地下水道」など世界の映画史に残る名作を撮ってきたワイダ監督が昨年、亡くなる直前に完成させた映画「残像」を、今年の6月、神保町の岩波ホールで観ました。

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ワイダ監督は共産主義体制のポーランドにおいて迫害をもろともせず反体制の姿勢を貫いた反骨の人物ですが、この「残像」は、ワイダ監督よりも以前に反骨精神を貫いたがゆえに悲劇の最期を迎えた、足の不自由な前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの、戦後から亡くなるまでの人生を描いた映画です。

シャガールやカンディンスキーなどの前衛芸術家たちとも交流を持ち、互いに影響を与え合ったストゥシェミンスキは、空間・時間への既成概念にとらわれない自由な芸術を目指す「ウニズム理論」という優れた芸術理論を生み出した一人で、戦前から国内外で高い評価を得ていましたが、同じ作風の繰り返し、過去の自分の作品のモノマネはしないという芸術家としての厳しさを自らに課し、そのうえで美術大学でも情熱的な講義で若者たちを惹きつけ、人々の尊敬を集めていました。

ところが戦後、ポーランドは共産主義体制になり、芸術の世界も「社会主義リアリズム」という、社会主義の宣伝になるような具象的な絵画しか認められないようになります。大学を追われ、美術館からもストゥシェミンスキの作品は取り払われ、彼を慕う学生たちのグループ展は学生たちがいない間に荒らされ、作品は破壊されてしまいます。職業に就くことも許されず、食料配給も受けられず、絵の具を買うことも許されなくなったストゥシェミンスキ。彼に救いの手はあるのか……。

映画は救いのない結末を迎えるのですが、魂が揺さぶられる作品になっているのは、陰影の深い後半のシーンが訪れる前に学生たちとの自由な芸術を目指す明るい希望のシーンが強烈にあり、そのコントラストがあまりにドラマチックだからでしょう。また、セリフだけで展開する映画ではなく、映像がメッセージを強烈に伝える作品なので、胸の中に名シーンが深く刻まれます。

例えば、冒頭のスケッチ旅行のシーン。丘の上にいたストゥシェミンスキと教え子たちの元に、丘の下から美しい女子学生が追いかけてきます。ストゥシェミンスキは「そこにいなさい」と彼女を止め、自ら下に降りようとします。しかし、松葉杖をつく彼が降りるのは時間がかかるだろう、そう思ったとき、彼は嬉しそうに笑いながら坂を転がっていくのです。これなら足が不自由でも問題ありません。学生たちは大喜びで彼にならって坂を転がっていきます。そのゴロゴロの楽しそうなこと!そして、坂の下で彼の講義が始まります。目を輝かせる学生たち!

ほかにも、アパートの彼のアトリエの窓を、アパート全体を覆う赤旗がふさぐシーン。絵を描こうとしていた彼は窓を赤い布が塞いで部屋が真っ赤に染まり、絵が描けなくなったことに怒りを覚え、ペイントナイフで布を切り裂きます。部屋の中からは単に赤い布を切り裂いただけに見えるけれど、外から見るとスターリンの顔を切り裂く大胆な行為です。私は思わず笑ってしまいました。

また、別れた妻は青い花が好きでした。彼女の墓に青い花を捧げようとした彼。しかし、青い花はありません。彼がとった行動は……!

など、視覚に訴える象徴的なシーンがたくさんあり、忘れられない作品です。これらのシーンは予告編にも映っているので、公式ホームページからも観ることができます。


今年観た映画の中でも、とくに印象深い作品の一つです。岩波ホールでの上映は終わっていますが、東京では、11/30(木)13:30と12/10(日)10:30、ポーランド映画祭(会場:東京都写真美術館ホール)の中で上映されます。また、新文芸座でも上映予定です。

ポーランド映画祭ホームページ

じゃーねー!(*^▽^*)/

ムーンライダーズ「ゆうがたフレンド」です。

https://www.youtube.com/watch?v=32BRQ5qAV8U

作詞:糸井重里
作曲:白井良明

鈍色(にびいろ)の空の下
あひるガァガァ公園で
ともだちと待ち合わせ
これから先どうするのかしゃべる
走る剣道部 さぼるライトバン
ともだちも金はない
池の周りぐるぐる歩いてた

いつも呼べばかならず来るよ
笑いながら手を振って

あの頃も空の下
あひるガァガァ公園で
おれたちは半ズボン
ほこりまみれ どろんこまみれ
昼寝のおじいさん 休む乳母車
ともだちも同じバカ
その日その日ただ笑ってた

いつも呼べばかならず来るよ
笑いながら手を振って

金はない 金はない
金はない 金はない

「生まれてきたときゃ はだかじゃないか」
(金はない 金はない)
聞いたような言葉かけるよ
(金はない 金はない)

「生まれてきたときゃ はだかじゃないか」
「オレたちは他人じゃないか」
「はだかじゃないか」
よくわからない

ふくらむ女子高生 落ち込む中高年
ともだちもあてもなく それなりにはまじめにやってきた

いつも呼べばかならず来るよ
「だいじょうぶさ」と胸はって

いつも呼べばかならず来るよ
笑いながら駆けてくる

何ひとつ取り柄もない 力もない 知恵もない
ともだちがいてくれる 葬式までたぶん来てくれる


なんだか、じわりと来ますね~~♪
じゃーねー!(*^▽^*)/

築地のブディストホールで
ミュージカル「吾が輩は狸である」を観たあと、
銀座方面に歩き、親へのおみやげを買うため、
東銀座にある岩手県の物産館「いわて銀河プラザ」に行きました。

いろいろと眺めていて、最初に買ったのは
岩手県の銘菓「かもめの玉子」です。

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黄味あんをカステラ生地で包み、
ホワイトチョコでコーティングしたものです。

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このお菓子のことを知ったのは、
テレビ神奈川の人気番組「関内デビル」出演者で
岩手出身の加村真美さんが
「かもめの玉子」のCMに出演しているということで、
番組内で紹介していたのです。
そのときの説明がとてもおいしそうで!


家族3人でいただきました。おいしかったです。
母は、「卵の殻はもっと硬いのかと思った」と、
リアクションが難しいことを言いました。

そのほか、これも「関内デビル」で紹介されていた
中村家の「うに海宝漬」です。

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うにといくらとホタテとメカブが盛りつけてあります。

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これも非常においしく、両親も絶賛していました。
メカブがいい仕事をしています。

おいしい食事を楽しみました。

じゃーねー!(*^▽^*)/

埼玉県朝霞市のコミュニティFM「すまいるエフエム」の番組
「大空なんだの四方山話」で、私の投稿した詩が読まれました。
月末の日曜日の放送は
リスナーの「文芸投稿」を紹介する回になっています。
今回のテーマは「木枯らし」でした。

「木枯らしの表情」

風は
目に見えないものなのに
私たちにはなぜかその表情が見え
その感情が伝わってくるように思える

木枯らしは
なぜこんなに強くきびしく
乾いた空気を私たちにぶつけてくるのか
その気持ちを受けとめようと思いをはせるとき
今、顔に当たっているこの冷たい風は
遠い大陸から日本海を渡り
列島の山々を越えながら水分を失ない
カラカラになって
私にぶつかっているのだと気づく

風は
地球規模の距離の連なり
果てしなく長い一本の線
私の顔にぶつかったあとも
風は地球を回り続ける
その中で何を見てきたのか
風の表情はその記録なのだ

私は風を受けながら
その記録を読み取っている
地球の力を知らせてくれる
無言のメッセージ
言葉に翻訳はできないけれど
肌という装置がそれを理解する

木枯らしが
地面に落とす
赤き葉は
木々を育む
養分となる

木枯らしは
たとえ厳しくとも
地球の命のサイクルに
欠かせないものだった

カラカラの木枯らしは
私たちを通り抜けたあと
太平洋へ至り
海の水分をたっぷりと吸い込み
しっとりとした風になる

風の旅は永遠に続く
その表情を
絶えず変えながら

以上です。

電波の届く範囲だけでなく、
ポッドキャスト等で、ネットを通じて
全国、全世界どこからでも
いつでも無料で聴くことができます。
もちろん、皆さんも聴くことができます。
難しい手続き・操作は必要ありません。
なんださんの顔写真の右にある丸に三角のボタンをクリックし、
バーが開いたら再生ボタンを押してお聴きください。

じゃーねー!(*^▽^*)/

ムーンライダーズ「ニットキャップマン」です。


「ニットキャップマン」
作詞:糸井重里
作曲:岡田徹

山田川のほとりの
テトラポットのとぎれる所
三畳くらいの空き地があって
そこにフジオさんが住んでいた
うすら寒い三月
テトラポットのすきまの穴に
パチンコ帰りの散歩をしてた
ぼくが落ちて足をくじいた

ずぶ濡れのぼくを背負い家まで
連れて行ってくれた オー フジオさん
川岸を息をあらげ家まで
急ぎ足で歩く オー フジオさん

ダシの効いた感じの
ニットキャップのお似合いな人
常田富士男にそっくりなので
ぼくはフジオさんと呼んでいた
やがて夏が来たけど
ニットキャップはかぶったままで
煮しめたみたいなTシャツ着てた
フジオさんは生きていた

知り合って何カ月か ンー ぼくらは
女のことだとかバクチのこと
くだらない話したりビールを
飲んで川を見てた オー フジオさん

知り合って6カ月で オー 別れた
女たちはいたが オー フジオさん
死んじまった男なんて ンー いないよ
誰に知らせようか オー フジオさん
オー フジオさん

いつもつながれてた雑種ドッグが
声をからして
たぶん助けを呼んでたのだろう
ぼくはフジオさんを見つけた
山田川のほとりの
テトラポットのとぎれる所
三畳くらいの空き地のそばで
そばでフジオさんは死んでいた

誰に会いたかったのか オー フジオさん
墓はどこにしようか オー フジオさん
犬はどうしようか オー フジオさん
誰に知らせようか オー フジオさん
オー フジオさん
オー フジオさん

歌を歌っているのが作曲者の岡田徹さん(ムーンライダーズ)です。
この曲のミュージックビデオはこちら。


歌っているのはムーンライダーズのリーダー鈴木慶一さんです。

じゃーねー!(*^▽^*)/

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