にこにこくんの、のんびり日記

おもに演劇や映画の観劇レポや、作った料理などを掲載します。

カテゴリ: 創作

 埼玉県志木市のコミュニティFM&ネットTV放送局「クローバーメディア」のラジオ番組「大空なんだの四方山話」で、私の投稿した詩が読まれました。投稿を始めてから70回目の採用です(ペンネームは「にこにこくん」)。月末の日曜日の放送はリスナーの「文芸投稿」を紹介する回になっています。今回の3月29日(日)の四方山話のテーマは「ゆきやなぎ」でした。

「ゆきぎしき」

冬の嵐を 思わせる
どこか寒々しい名前
私の名前は ゆきやなぎ

ゆきゆきつもる
ゆくつもり
やなぎゆられて
しろくふる

春に咲く花 白い花
柳のように 枝に垂れ
風に吹かれて ゆるりとゆらぐ

ゆきぐにはしり
そよかぜかおる
かろきやなぎは
やきばのほね

粉雪のごとく 純白な
花嫁たちの 群れつどい
小さな花びら 舞い踊る
ウエディングドレスの 集合体

はるにまいもどる
しにしょうぞく
しろきやなぎの
ゆきぎしき


以上です。
冬のような名前の春の花。そこに死と生、静と動が入り混じったような感覚を感じ、火葬場の骨や死に装束と、ウエディングドレスの花嫁、「逝き」と「揺らぎ」を混在させてみました。
今月は3月ということもあり、3.11への追悼の気持ちも込めた詩であることを付け加えておきます。
こちらのURLからファイルをダウンロードしてお聴きください。
MCのなんださん、ちゃいさん、ありがとうございます♪
興味のある方、投稿してみませんか?
次回のテーマは『コロナの春』です。
nanda@o-fuji.com まで ご投稿ください。
締め切りは4月21日です。

 埼玉県志木市のコミュニティFM&ネットTV放送局「クローバーメディア」のラジオ番組「大空なんだの四方山話」で、私の投稿した詩が読まれました。投稿を始めてから69回目の採用です(ペンネームは「にこにこくん」)。月末の日曜日の放送はリスナーの「文芸投稿」を紹介する回になっています。2月23日(日)の四方山話のテーマは「草萌える」でした。

「一本の草」

雪解け水が大地を潤し
日の温もりが
命を目覚めさせる頃
広き高原に
草萌える

青き季節が
始まりを告げる
野鳥のさえずりが
静かな草原に響き渡る
膨らむ風で
なびく草

あの時は二人だった
握った手が温かかった
草原を眺めながら
永遠(とわ)の幸せを信じていた
今、私の隣には誰もいない
心地よい風が
私を慰めるように
絶え間なく吹き抜けていく

感じることは
できたはずだ
彼女の寂しさに
気づいてあげられたはずだ
それなのに
私には優しさが足りなかった
優しいつもりでいたけれど
自分への厳しさが足りなかった
この心地よい風は
むしろ彼女にそよいでほしい

この高原を満たす
青く萌える命
もう寂しがる季節ではないことを
教えてくれる
草原から立ち去ろう
街へ向かおう
人々の流れに
草萌える季節を感じよう

私も草の一本なのだから


以上です。
こちらのURLからファイルをダウンロードしてお聴きください。

 埼玉県志木市のコミュニティFM&ネットTV放送局「クローバーメディア」のラジオ番組「大空なんだの四方山話」で、私の投稿した詩が読まれました。投稿を始めてから68回目の採用です。月末の日曜日の放送はリスナーの「文芸投稿」を紹介する回になっています。今回の1月26日(日)、今年最初の四方山話のテーマは「春が来た」でした。

タイトル「ありがとう」

そろそろコタツをしまおう
木々が芽吹いたり
花びらが開くのを
テクテク歩いて
探しに行こう
見つけたら
友だちに教えよう
「春が来た」と

歩く人
部屋から眺める人
匂いを嗅ぐ人
耳を澄ます人
味わう人
そして、生きとし生ける
全ての生物
あらゆるものが春の探偵
春はどこだろう
春はここにいる
物的証拠があちこちに見つかる
春は間抜けな犯人だ

「見つけてくれて、ありがとう」
見つかったことを喜ぶように
春はステージで小躍りする

ありがとう ありがとう
とう とう たららんたん
おう おう ちりりんちん
こう こう つるりんつん
よう よう てれれんてん
すう すう とれとんとん

ほんの少し前まで
大地も水も空も
張り付くように
冬に固められていたのに
そこに優しく触れただけで
春の扉が開いていった

冬の寒さが
厳しければ厳しいほど
春の喜びは大きなものになる
冬の寒さにも感謝しよう

ありがとう
冬の寒さ
ありがとう
冬の厳しさ

以上です。

36分ごろから読まれます。
こちらのURLからファイルをダウンロードしてお聴きください。
MCのなんださん、ちゃいさん、ありがとうございます♪

 埼玉県志木市のコミュニティFM&ネットTV放送局「クローバーメディア」のラジオ番組「大空なんだの四方山話」で、私の投稿した詩が読まれました。投稿を始めてから67回目の採用です。月末の日曜日の放送はリスナーの「文芸投稿」を紹介する回になっています。今回の12月29日(日)、今年最後の四方山話のテーマは「春を待つ」でした。

タイトル「待ち人如月」

旧暦では
1月から3月までが春
2月如月は
春の真ん中
すなわち仲春

春を待つ人に
春は来るのか
待ち人如月
春よ来い

春を待つより
終わりゆく冬を楽しめ
そばに寄り添う冬を
粗末にするな

待ち人如月
冬楽し

春になれば
あの人が日本に帰ってくる
梅を見ようと交わした約束
やはり春は待ち遠しい

待ち人如月
春遠からじ
待ち人如月
春よ来い

以上です。

春を待つ〜待ち人来たらず〜待ち人木更津〜待ち人如月〜と頭の中で言葉遊びをして、待ち人如月を核に詩を膨らませました。「春を待つ」は、冬の季語ですが、いくら春が待ち遠しくても、冬をないがしろにしてはいけないなと思いました。今を楽しもう、大事にしようと。

41分ごろから読まれます。
こちらのURLからファイルをダウンロードしてお聴きください。

https://yahoo.jp/box/_XVI0K

MCのなんださん、ちゃいさん、ありがとうございます♪

興味のある方、投稿してみませんか?
次回のテーマは『春が来た』です。
nanda@o-fuji.com まで ご投稿ください
締切りは1月21日です。

 埼玉県志木市のコミュニティFM&ネットTV放送局「クローバーメディア」のラジオ番組「大空なんだの四方山話」で、私の投稿した詩が読まれました。投稿を始めてから66回目の採用です。月末の日曜日の放送はリスナーの「文芸投稿」を紹介する回になっています。今回の11月24日(日)の四方山話のテーマは「陽だまり」でした。

タイトル「ワルシャワの陽だまり」

あなたの
優しさも親切さもない人間愛
それが陽だまりだった

突き抜けるレフ板の
左右に迷う時間
それが陽だまりだった

地図には載っていない
陽だまりの位置

スケジュール帳にも書かれていない
陽だまりのできる時間

私たちはそこへ集い
ワルシャワ舞踊を踊るのだ

世界各地の民族衣装に身を包み
連絡も取り合わず
陽だまりの場所へ向かう
我らはワルシャワ舞踊団

マリンバと
バラライカと
フィドルの伴奏

陽だまりの中で
舞踊団は汗をかく

能面を被った少女が唄う

あなたの
優しさも親切さもない人間愛
それが陽だまりだった

何も勝ち取らない
ワルシャワのステップと
キンセンカの香り
それが陽だまりだった

能面を外した少女の顔に
陽だまりが差す

「暖かい」
彼女はつぶやく

やがてじわじわと陽が沈み
ワルシャワ舞踊のうたげは終わった

以上です。
陽だまりを「優しさも親切さもない人間愛」と書いています。
それは、陽だまりを「意図的に優しさや親切さを与えてくれる愛」ではなく、「無為の自然が人間に与えてくれる愛」なのだと感じて、そのように表現しました。
ワルシャワは、かつて東西から侵略された都市です。それを受け入れた、負け続け、何も勝ち取らないこの土地には、東西の文化が混在していると思いました。そこで、架空の「ワルシャワ舞踊団」が、無国籍な音楽と舞踊を披露している様を思い浮かべ、陽だまりという無為の自然と重ね合わせました。

と、これはあくまで私がこの詩を書くにあたって思いついた連想です。皆さんはご自由に受けとめていただければと思います。理屈っぽく読み解こうとせず、感じていただけると幸いです。

32分ごろから読まれます。
こちらのURLからファイルをダウンロードしてお聴きください。


MCのなんださん、ちゃいさん、ありがとうございます♪

↑このページのトップヘ